ごった煮diary

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漫画『ライチ☆光クラブ』感想と考察(※ネタバレ満載注意)②

ぼくらの☆ひかりクラブ 上[小学生篇]
暫くはお腹いっぱい飽和状態だったこの問題作(笑)をまた読み返してしまった、しかもシリーズ全篇通しでw
すると前回記事に書ききれなかった考察を含め、新たな感想がトプントプンと出るわ出るわ('A`)
いちお前回記事からビジュアル面で多少の変化をもたせる為、あえて前日譚『ぼくらの〜(小学生篇)』の商品画像引用でお送りします(笑)


さてさて、
読む度に何かしら新しい発見&衝撃がある本作。

今回の読み返しターンでは、メンバー達の交錯する人間関係の中に色んな「対極」が存在することに殊更興味を惹かれました。
(いやこれも今更すぎるんですけどねw)

最も分かり易い対極を挙げると、

きゃは!とアハトなアノ子とアインツなあいつ…

そう、いわずとしれたジャイボとニコ(^^)

ニコの身も心も捧げるゼラへの忠誠心に対し、
嘲笑うかのように枕営業(?)でアッサリ出し抜くジャイボ。
ゼラにとっての「一番(アインツ)」をめぐるプラトニックとエロスの対比。勤勉と怠惰の対立的構図。
それは誰の目にも分かり易すぎて特筆するまでもない。
しかし、行為のインパクト(!)でジャイボが何馬身も差をつけてるかと思えば意外とそうでもないところがまた面白いのである。
(ニコの眼球セルフ摘出→主君と宿敵はそれをネタに談笑wも私的には多分にトラウマだけどw)
そりゃニコにとっちゃ例のイチャコラ風景(※一方通行の行為であるが)は何よりの精神的フルボッコだったろう。けど、少なくともジャイボをして「ニコは駄目だよ」と言わしめるだけの立ち位置までニコが肉薄していたことは事実。
一見怠惰と見せかけてるあのジャイボが、わざわざニコの財布抜き取って基地に呼び戻してイチャコラ見せつけるという小細工を施すまでには危機感をおぼえさせていたんだろう。
(流石は神出鬼没の暇人ジャイボ、彼にしか成し得ない神業であるw)
しかしそんな世紀の大接戦も肝心のゼラがどこ吹く風じゃあね\(^o^)/

(※以下、腐女子的表現が露骨に混ざります注意)

や、ジャイボはもしかしたらもう一息でゼラの内部深くに(文字通り)斬り込めたかもなんだけどな。
残念ながらジャイボ本人がゼラを(文字通り)切り拓いて掘り進めることよりも
「僕を機械にすればいいのに」って方向にベクトルが向いちまったからな〜(>_<)
これだからDTは…つくづく残念至極だ。

( ゚д゚)ハッ!
思えばニコが最期にゼラに深々と一撃をくれてやった、あれは便器を己(のナニとはいわないがw)に見立てた挿にゅ…もとい貫通行為なのか??
いやそれ自体は誰かが既に指摘してた気がするけど、

何が凄いって

最終的にはゼラの内部に(物理的にも精神的にも)一歩踏み込めなかったジャイボとの対比がここで鮮やかになるのがw

上記の考察には私の願望&誇大解釈が多分に含まれるであろうが、もしこの憶測が当たっててしかもそれが作者によって全て計算されてるのだとしたら凄すぎる。兎丸先生何者w

とにもかくにも、

これで俺、間違いなくアインツだよな?

といういつぞやのニコの問いに、
今こそ全力で「あぁ…そうだな(グッ)」と即答してやりたい\(^o^)/


そんな感じで、この二人の対極を述べるだけで既に力尽きかけてるので、
以下はもう箇条書きでw

・ゼラVSタミヤ

話の筋と人物配置からすると、本来はこの二人が主幹といっていいほどの対極をなしている筈。
善と悪。そう括ってしまうと安直すぎるんだけど、この二人は対極でありながら限りなく紙一重なんだよな。
それでいてタミヤはゼラに負けを認めちまってるし、ゼラはゼラでタミヤに嫉妬と羨望タラタラだし…
あれかな。根本は同じ支配欲タイプだけど、人品骨柄と得意分野が違いすぎて衝突しちゃったパターンかな。
ゼラとてメガネザル時代はともかく、厨房成長後のビジュアルならある種の女子にモテなくもないだろーに(笑)
なに、タミヤが法外に長身でイケメンすぎただけだ。並んで歩かなければ…あと口を開かなければゼラもイイ線いくさw
黙ってりゃキ●ガイもバレないし、運動神経なんて鈍くたってそれこそ外見じゃ分からんしwてか大人になりゃ殆ど関係ないw
け、け…蛍光中だからって馬鹿にしてるわけじゃないんだからねっ!(笑)
(蛍光中はタミヤも同じだからなw)

いずれにしろ、この二人は小中時代一貫して人間的に好き合ってはなさそうだ。
(初対面でのゼラの「よろしく タミヤ君」の薄笑い?に既に含蓄あるしw)
似な物同士ゆえのライバル意識、近親憎悪みたいなもんかな。

しっかしタミヤは自分よりスペックが著しく劣る、子分みたいなのを仲間に引き入れて付き従えるのが好きだよな。
そもそも高身長イケメンハイスペックのタミヤを上回れってのが無理な注文だから必然的にそうなるのかもだけど、殊更に底辺な感じの(平たくいえばイジメられるタイプの)子達とやたらつるみたがる。
自分に自信がないニコなんてタミヤのヒーロー気質を充たすにはまさに恰好の標的w
タミヤめ、常識人とみせかけて典型的なお山の大将、相当なジャ●アンタイプだな(笑)
それだけに、当初は下に見まくってたゼラの下克上ぶりにはさぞ唖然としたことだろう。

タミヤVSニコ

小学生篇にて、
ダフによる「あいつ(ニコ)タミヤ君とは合わないって!」は何かのフラグか??

タミヤが得意の(無自覚な)偽善ぶりを発揮し、ニコにひかりクラブへの引導を渡す
→ゼラ出現により人間関係が分裂、タミニコ訣別。
→燃え盛るライチ畑で二人が抱き合うようにもつれ合い、炎の中から仲良く登場→共倒れ

この二人のしがらみは、ゼラとタミヤの対決以上に宿命じみたものを感じる。
『ぼくらの〜(中学生篇)』でゼラに復讐を誓ったタミヤが、「もし人間の心が宿るようなことがあれば俺に協力してくれよな」とライチに語りかける回想。それを見つめていたのは埋め込まれたニコの右目。
(このときニコ自身は未だゼラに絶賛心酔中であるがw)
かつては友でありなが隔絶されてしまった二人が、最期は運命を共にしゼラを倒すため(ライチを通して)共闘した…
炎の中での壮絶な揉み合いとライチへの語りかけの回想は、そこに至るための壮大な伏線であるとも解釈できる。

明らかに性格合わなそう、しかし何だか放っておけない…
思えばこれ、少女漫画の鉄板パターンじゃないか(笑)
とか自分で言ってみたものの、彼等の宿縁は恐らくそんな安っぽいものじゃなく、もっと愛憎入り混じった泥臭い人間愛みたいなものなんだろう。とすればライチ畑炎上シーンはタミヤとニコによる過去の清算、エア心中未遂(エアな時点で未遂かw)とすらいえたかも。

共通点がまるで無いようにみえて、この二者もまた表裏一体だったのかな。ゼラの出現で遠く隔たってしまったけど、タミヤは親友のダフ・カネダとはまた違った感覚でニコという人間に惹かれていたようにみえた。そして、ニコにとってもタミヤはやはり初めてできた大切な友人のままだったのだろう。

・ジャイボVSタミヤ

この二人の関係性もまた興味深い。
滅多にゼラ以外のメンバーに声をかけないジャイボが、タミヤにだけは自発的に歩み寄って要らん触発して煽ってるシーンが多い。
確か原作であるグランギニョルの舞台でも、ジャイボがタミヤをそそのかす運びがあるんだっけ。
ジャイボにとっては光クラブなんて本当はどーでもいいけど、タミヤはゼラを脅かす(不安にさせる)存在だから排除しよう…そんな感じなのかな。
親の金くすねてゼラに活動資金渡してるのも、クラブの存続のためというよりゼラの歓心を買いたい一心という感じだもんな。。。
ただ、ジャイボがタミヤに向けて放った「君だけじゃなく、み~んな哀れ!」これは紛れもない本音なんだろうな。てか慈悲??
報われなさと最期の死に様を思えばジャイボが一番哀れなんだけどね←

この二人の対極が面白みを増してくるのは本編終盤から。
前記事でも少し述べたけど、途中からジャイボは明らかにタミヤを利用しクラブを崩壊させようとしている意図がみえてくる。
理由は違えど、光クラブなんぞブッ壊しちまえ!って結論に至ったところは共通。
タミヤはゼラへの復讐&社会悪撲滅の為。ジャイボはひたすらゼラ独占の為。
破壊衝動とそれを実行する行動力を思うと、実はこの二人が一番似たタイプなんじゃないかと思う。
(自分の性質をどっちの方向に使うかで致命的に運命が変わるという)

それにしてもタミヤがゼラのこと「あのキ●ガイめ!」って吐き捨てたのは笑った。いや笑うとこじゃないんだけど。
皆が思ってて敢えて言わなかったことをズバっとw抜き身すぎるだろwwwwww
あの電波なカノンですら「頭のネジが一本緩んでしまってるのだわ」ってオブラートに包んで表現してたというのにwwwwwwww

・ジャイボVS雷蔵

いやVSっていうかね(笑)
ジャイボは雷蔵なんて歯牙にもかけない、どころか眼中に無かったみたいだから、この考察はオマケ的なものなんだけど。
雷蔵の美が願望の域を出ないとしたら、ジャイボの美は狂気を孕んだ真実の美。
やっぱどっかイッちゃってないと真実の美たりえないんだよね。そりゃ~所詮オカマくずれの雷蔵は逆立ちしたって勝てないでしょ(笑)

狂気美と鬚。
狂気美とすね毛。
狂気美と声変わり。
狂気美と肩幅、指の関節の拡大化。

ああああ

美だけがゼラの認める存在価値だっただけに、ジャイボは己が身にふりかかる矛盾に切り裂かれそうだっただろうな。
ゼラが美少女云々言い出してから、見捨てられ不安が全面に漂っててただただ切ない。。。


とまあ、まだ色々な対極があったはずなんだけど
ここまで力説しただけで疲れ果ててしまったので、とりあえずこれにて終幕とする。

次回は「結局何が破滅の元凶だったのか?」という永遠にしてナンセンスなテーマに迫ってみようと思うw(あくまで予定)

漫画『ライチ☆光クラブ』感想と考察(※ネタバレ満載注意)

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)

ライチ☆光クラブ (f×COMICS)

何を今更?というくらい、各方面(?)ではあまりに有名な作品みたいですね。
レビューも語りつくされてる感はあると思いますが、久々に出会ったショッキングな作品だったので、私なりの感想というか考察を。

※前日譚にあたる『ぼくらの☆ひかりクラブ』上下感も既読です。
ネタバレなくして語れない内容ですので(笑)問題ない方は続きドゾ。。。

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